「平和の尊さを訴えて」「夢に出てきて」三回忌追悼企画“いま寂聴さんに願うこと”
そして『何言ってるの!』と明るく笑い飛ばしてくれたのです。そのおかげで、私も自分の悩みなんて、たいしたことではないのだと思えるようになりました。夢の中で、もう一度先生に思いっきりグチを聞いてほしいと思います」
瀬尾さんは3歳と1歳、2人の男の子の母でもある。
「先生は教育の悩みを聞いたときには『いいところを見つけて伸ばしてあげなさい』と、おっしゃっていました。私も子供たちの“長所”を見つけてあげたいです」
天台寺がある岩手県は寂聴さんのゆかりの地でもある。11月3日から「たくさんの愛をありがとう追悼瀬戸内寂聴展」が盛岡市民文化ホール・展示ホールで開催されており、初日には瀬尾さんが講演を行った。
「テーマは『寂聴先生との10年間』。私が大学を卒業してすぐに寂庵に就職することになってから、先生と過ごした日々をお話ししました。
1時間というと長いようですが、先生との思い出を話しているとあっという間。話している途中、涙が出てしまうことも。
私が最初に講演をしたのは母校でした。先生に『うまく話せるかどうか不安です。いっしょに来てください』とお願いしたら、『大丈夫、まなほならできるから、1人で行きなさい』と、背中を押してくれました。