くらし情報『「平和の尊さを訴えて」「夢に出てきて」三回忌追悼企画“いま寂聴さんに願うこと”』

「平和の尊さを訴えて」「夢に出てきて」三回忌追悼企画“いま寂聴さんに願うこと”

’08年、紫式部文学賞を受賞した後、雑誌の対談企画をきっかけに、寂聴さんとの交流が始まった。初対面で伊藤さんが「ブラジャーをつけ忘れちゃった」と、気づいて慌てたが、寂聴さんも法衣の下からブラジャーを脱ぎとり、お互いノーブラで対談に臨んだという。

「私は何度か結婚・離婚を繰り返し、20年間アメリカに住んでいましたが、親の介護のために日本と行き来したりしていました。そんな私の経歴も面白く感じてくださったのかもしれません」

以降、たびたび寂聴さんのもとを訪れ、さまざまな相談をしたり、話を聞いたりした。

「先生の前では、自白剤を飲んだかのように、なんでも話すことができるんです」

寂庵の近くにある料亭で会食をしたときは、偶然、政治家の野中広務氏と顔を合わせた。自民党幹事長や内閣官房長官として強面のイメージが強い野中氏だが、
「寂聴さんとお会いしたときは、すごくニコニコした笑顔。先生の前では、誰もが鎧を脱いでしまうんでしょうね」

寂聴さんは伊藤さんとの話が盛り上がってくると、スタッフに「赤ワインを持ってきて」と、お酒を楽しむことも多かったという。

「血の滴るようなお肉をごちそうしてくれたことも。

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