GACKT 20年前の初自伝『自白』で明かしていた「韓国人妻との愛憎の日々」
「自分の人生を本気で素敵だと思って生きたいか、自分自身はどうでもいいと思って生きたいか。どっちがいい?僕は、自分の人生を本当に素敵だと思って生きているよ」
彼は穏やかに微笑みながらそう言った。
「どっちがいい?」
と言われたとき、瞬時に思った。僕は自分の人生を素敵だと思っていきたい!
そんなことを考えたのは、生まれて初めてだったかもしれない。僕はそれまでずっとどこかで自分を否定して生きてきたのだから。
それから、彼と行動をともにした。できる限り一緒にいた。よく彼の家に遊びに行って、いろんな話をした。
その人も忙しかったから、毎日じゃないけれども、時間があれば、会いに行っていた。
初めて、自分以外の他人に興味を覚えた。僕は、彼のような人間になりたかった。
彼はいつも、
「こっちとこっち、どっちがいい?」
というふうに、わかりやすい話し方をする人だった。
でも、話せば話すほど、彼の考え方、行動の仕方がすべて僕とは違うところにあるということが、わかり始めてきた。何よりも、人としての器が全然、違う。
僕は負けず嫌いだから、今まで自分より少しでも大きな人と出会うと、なんとかして追いつき追い越してやろうと思ったものだが、その人は、そんなレベルじゃなかった。