くらし情報『国境なき医師団・白根麻衣子さんが見たガザの惨状…「子どもの遺体をアイスクリーム用冷凍庫に」』

国境なき医師団・白根麻衣子さんが見たガザの惨状…「子どもの遺体をアイスクリーム用冷凍庫に」

南部へ到着した白根さんたちは、国連施設に設けられた避難所やその駐車場で野宿生活を始めた。数万人の避難民が押し寄せ、トイレや布団も足りない。

「私たちを含め、多くの人が野宿生活でした。小さな子供のおむつもないし、水がないために洗濯も満足にできません。なにより、南部への避難指示はあったものの、絶え間なく空爆とミサイルの発射音が聞こえ、子供たちは怯えて泣いているし、母親も疲れ果てていました。私たちの車にはMSFのロゴがあったため『糖尿病の薬が欲しい』『子供が熱を出したから解熱薬が欲しい』と患者家族が来ました。でも、平時なら簡単に提供できる薬もまったくなく、落胆して帰っていく人の姿を悔しい思いで見ることしかできなかったんです」

一方、パレスチナ人の現地スタッフは、白根さんたち外国人スタッフのために尽力してくれた。

「セキュリティ上、私たち外国人スタッフは避難所の駐車場から出て、食料など物資の調達はできませんでしたが、代わりに現地スタッフが命を顧みずに探してきてくれるんです。
そして『あなたたちに、こんな思いをさせてごめんね』と、彼らが悪いわけではないのに、私たちに謝ってくるんです……。

私たちの居場所を知った女性スタッフの一人は、頼んでもいないのにツナやミートローフ、豆の缶詰、トイレットペーパーやウエットティッシュ、歯ブラシ、シャンプーや下着も持ってきてくれたんですね。

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