柴俊夫 水谷豊&桃井かおりと釧路まで船に揺られて30時間!過酷すぎた昭和ドラマの撮影裏話
でも、後になってから『お前はギョロッとした目で睨みつけてきたな。忘れないよ』と笑われました」
柴さんや水谷豊、桃井かおりなどは台本を持ちながら稽古に臨んでいた。
「でも鶴さんは、稽古の段階でセリフが頭に入っているから本を持たない。ボクらが怒られることはありませんでしたが、申し訳ない気持ちになってしまいました」
そんなスターに気軽に声をかけることはできず、撮影現場では水谷や桃井と3人で集まることが多かった。
「即興芝居なんかもやって、お互い鍛えていました(笑)。たとえばかおりが女優、ボクがプロデューサー役になって、記者役の豊が新作映画出演に関してかぎまわったりするわけです」
同ドラマの撮影方法も革新的だったという。
「それまでのドラマはスタジオでの撮影がメーンでしたが、当時としては小型化されたカメラを採用し、大きな機材は車いすに積んで、ロケを多くしたんです」
なかでも印象に残っているのは「釧路まで」の回。
「約30時間かけてフェリーで移動して、極寒の中、撮影。
北海道では若手3人組に五十嵐淳子ちゃんを加えた4人で、タクシーに乗って苫小牧のすし店で打ち上げしました。鶴さんは飛行機で帰りましたが、ボクらは、また30時間かけてフェリーで帰京。過酷なロケも、今となってはいい思い出です」
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