小林幸子 デビュー60周年むかえる“ラスボス”の「大晦日の予定」
紅白の連続出場が途絶えた小林さんが見つけた“新境地”はインターネットの世界。踏み込む勇気をくれたのも、明男さんだった。
「ニコニコ動画からの出演依頼が来たとき私、躊躇したんです。なにしろ、インターネットといちばん遠い世界で生きてきましたから。そんなとき、主人が教えてくれた言葉に、私はハッとしたんです」
このとき、明男さんが伝えたのが「思い込みを捨て、思いつきを拾う」という言葉だった。
「主人が手掛ける再生医療は、従来の医療の常識との闘いなんだそうです。柔軟にものごとを捉えないことには前に進めない世界。主人に教えられたその言葉を聞いて、私も思ったんです。
つまらない思い込みを捨てられたら、新しい自分が見つかるんじゃないかって」
果たして一歩を踏み出した小林さんは「ラスボス」という新しい自分を手に入れた。ボカロ曲を歌い、子どもたちから「サチリン」と呼ばれるようにもなった。最近ではYouTubeで自らのチャンネルを開設し、「YouTuBBA!!(ユーチューババア)」を自称している。
窮地を脱し、前を向いて新境地を切り拓いた背景には、愛する夫の支えがあった。そしてーー。
「私ね、雑草みたいな生命力があるんです。