連合発表「平均5%超の賃上げ」も9割の雇用者に関係ない…給与増なしでさらなる増税と物価高の懸念も
と肩を落とす人も多い。
「総務省の消費者物価指数(総合)では前年比3.2%の上昇ですが、実際の肌感覚とは大きく離れています」(斎藤さん)
先述の日銀調査で「1年前に比べ現在の物価は何%程度変化したと思うか」と問いがある。消費者が実感する物価高は、直近データでは平均で16.1%の上昇だ(上表参照)。消費者物価指数とは比べものにならないほど高い、これこそが私たちの実感なのだ。
「消費者が実感する物価高は、賃上げ率が5%を超えた程度の給料アップではカバーできません」(斎藤さん)
だが、日銀のマイナス金利解除を受けて、三菱UFJ銀行などが普通預金の金利を引き上げた。これは朗報では?
「三菱UFJ銀行の普通預金金利は0.001%から0.02%になりました。その差は20倍です。ただ、100万円を1年間預けた場合の利息が、これまでの10円(税引き前、以下同)から200円になるということ。
ATMの時間外手数料などで消えてしまうわずかな金額です」(荻原さん)
たとえ“焼け石に水”でも賃金アップはなくてはならない。来年以降も続くのだろうか。
「大企業には余力があり、賃上げ税制も続くので期待する人も多いでしょう。