「50代の給料」が減っている!“若手中心”賃上げの皺寄せで…減少幅大きい“まさかの業界”
つまり約30年前には20代と50代では2倍近くの月給の差があったのに、近年では1.6倍に縮まっているのだ。
とはいえ、今年の春闘では定期昇給を含めて5%台の伸び率と歴史的な賃上げとなったが……。
「その賃上げした分が50代の月給に反映するわけではありません。経団連(日本経済団体連合会)が1月に公表した『人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果』では、ベースアップの具体的配分方法として『若年層(30歳程度まで)への重点配分』が30.2%でしたが『ベテラン層(45歳以上)』はわずか1.1%でした。
また初任給の水準を大幅に引き上げた企業も増えています。人手不足が深刻化するなか、会社は優秀な人材を確保するため、賃上げは新卒を含めた若手社員に振り分ける傾向が強くなっています。そのしわ寄せを受けるのが50代の給料なのです」(小泉さん)
そこで厚生労働省が毎年公表している、主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を明らかにする「賃金構造基本統計調査」や総務省「地方公務員給与実態調査」、人事院の「国家公務員給与等実態調査」から、3年前と今の50代(男女計)の月給を比較してみた。ちなみに調査年によりサンプル数(労働者数)