「日本航空123便墜落事故」裁判終結に、夫を亡くした81歳の遺族が期す「真相究明」次なる一手とは
そんななか吉備さんは2021年3月、日航に対して民事訴訟を東京地裁に起こしたが、同年10月13日に地裁は請求を棄却。
その一審判決を不服として控訴するも、’23年6月1日に棄却。
そして、その控訴審判決を不服として、上告および上告受理申立を行っていたのだが、最高裁は今年3月28日付で上告棄却および上告受理申立の不受理を決定したのだ。
「これによって、本件訴訟は終結しました。『なぜ夫がこの事故で命を失わなければならなかったのか、納得できる原因を追究したい』という吉備さんの望みに、司法が応えることはありませんでした」
代理人の三宅弘弁護士は、苦渋の表情でそう語った。
同事故は発生直後から、日航による事故原因の説明はなく、運輸省(当時)事故調査委員会による’87年の事故調査報告書で《ボーイング社の修理ミスが原因で後部圧力隔壁が破壊、急減圧が発生し、垂直尾翼が吹き飛ばされたことが原因》とされ、以後の調査は打ち切られていた。他の遺族も含めて何度も訴訟が準備されたが、刑事事件としての告訴は不起訴処分に終わり、32件あった損害賠償請求はすべて和解となり、真相究明から遠ざかるばかりだった。