「日本航空123便墜落事故」裁判終結に、夫を亡くした81歳の遺族が期す「真相究明」次なる一手とは
「異常外力着力点(前述)に加えて、上野小学校の児童の文集など新証拠が続々見つかり、報告書の矛盾が多く出てきています。それなのに、裁判では『報告書に書いてあるからボイスレコーダーの開示は不要』とされてきたんです」
そもそも「異常外力着力点」という表記が注目されたのは、報告書の付録の存在を指摘した青山透子著『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』(河出書房新社)が出版された2020年以後であり、吉備さんたちが請求権を放棄したとされる「和解」は20年以上も前に結ばれていたものである。
最近になって新しい証拠が、しかも報告書から出てきたわけで、本来、報告書は再検証されてしかるべきなのだが、裁判所は新しい証拠より20年も前に結ばれた取り決めを優先させたということになろう。しかしいま、吉備さんは、気丈に前を向こうとしている。
「今月6日に転倒してしまい、主治医から『2週間の安静』と言われていたんです。でも『今日はなんとしても』と起き上がって、みなさまへの報告に上京しました。
天国の夫には、今日の時点では『残念な形でした』と報告するしかありません。なんだか、夫に頭をコツンとされたような気もするんですが、できるだけのことを、これからも頑張りたいと思います。