北原佐和子語る「認知症専門病院で准看護士」として奮闘中。ケアマネジャー業も兼務《あの80年代アイドルの今》
掲載されたことがきっかけでスカウトされ芸能界デビューしたが――。
「当時、ボーイフレンドがいたんですが、事務所から別れるように言われ、お別れすることにしました。実際今考えると、もっと要領よく生きられたかな…という風に思うんですけどね(苦笑)。妙に正直だったかもしれません」
その後、女優へと転身。さまざまな人気ドラマ、映画に出演する。
「女優として活動するようになると、隙間時間が増えたんですよね。連続ドラマの撮影が入っている間は休みもなかなか取れないのですが、それが終わったとたん、今度は数カ月にわたって仕事がないこともあります。私は、やることがない状態が続くと気持ちが不安定になりやすくて、それがとてもつらかったんです。
自分が芸能界、あるいは社会から必要とされてないのかな……なんて考えてしまうのが嫌でした。
日本舞踊や三味線など、女優の仕事に生かせるお稽古事に挑戦したり、乗馬の練習に行ったりもしていました。それでも、心の中にぽっかりと空いた穴のようなものがふさがることがなくて。『何か違う』という思いを抱えていました。
そうして30代を迎え、その先の人生を考えるようになりました。自分がこれまで歩いてきた道を振り返ってみた時に、いくつかの記憶が鮮明に浮かび上がってきたんです。