北原佐和子語る「認知症専門病院で准看護士」として奮闘中。ケアマネジャー業も兼務《あの80年代アイドルの今》
そんな記憶が、10年以上もたってから鮮やかによみがえってきたんです。これは何かのメッセージなんじゃないかと感じました」
■女優業が介護に活きている
北原は05年にホームヘルパー2級(現・介護職員初任者研修)の資格を取り、グループホームなど複数の施設に勤務。17年にはケアマネジャー(介護支援専門員)と、難関資格を取得し、女優業の休みを利用して介護士として働くようになる。その後、准看護師の資格も取得し、現在は東京・三鷹にある認知症専門『のぞみメモリークリニック』で准看護師としても勤務している。介護歴はすでに18年におよぶ。
「自分の足で立ち始めて、自分で介護の道を選択をするようになったら、生きてるという実感を感じたんです。
かつて、私たちが声をかけると『うるせえ』と怒鳴る認知症の男性がいました。時には拳が飛んでくることもあり怖くて、どう関わっていいか分かりませんでした。
ある日、みんなで歌を歌っている時に、その男性の好きな『故郷を離るる歌』というドイツ民謡を歌いましょうって、他のスタッフが言い出したんです。それを聞いて私は『?』と思ったわけです。会話も難しい人なのに、歌を歌うなんてと。