くらし情報『北原佐和子語る「認知症専門病院で准看護士」として奮闘中。ケアマネジャー業も兼務《あの80年代アイドルの今》』

北原佐和子語る「認知症専門病院で准看護士」として奮闘中。ケアマネジャー業も兼務《あの80年代アイドルの今》

それが、どれも福祉につながることばかりでした。特に印象が強かったのは、小学生くらいから続く思い出です。その頃は、夕方になると駅まで父を迎えに行っていました。父を待つ間、ご高齢だったり、視覚障害があったりする方が、券売機の前で戸惑っているのを見かけることが度々あったのですが、幼い私は勇気を持って声をかけることができませんでした。そんな日はいつも、家に向かう足取りが重かったんです。

大人になり、大雨の日に車を運転していたら、大通りでタクシーを探す四肢まひの男性を見かけたんです。手にもまひがあり、傘を差していたけれどずぶぬれでした。子どもの頃の記憶がよみがえって、『乗ってください』と声をかけました。


その方は手伝いはいらないとおっしゃり、シートや付近の金網につかまりながら、自力で車を乗り降りしていました。発話も不自由でしたが、週に2~3日、電車を乗り継いで仕事に行っていることなどを一生懸命話してくださったんです。ハンディキャップを抱えながら自分の足で立とうとするたくましさに、強く心を動かされました。私は10代でデビューして、大人たちがお膳立てしてくれたところに立って、仕事をしてきたのに、と。

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