“ヤンキー先生”廃校の危機、香山リカが見た教育現場
「’01年に発覚した薬物事件では、全校生徒約560人中79人が大麻などに手を染めていたことがわかり、翌年の入学志願者は激減しました。それから再発防止のためにわれわれ教師ががんばってきましたが、生徒の数は減少を続け、赤字は1億円を超えるまでに。そして理事会は、この4月に『70人以上』の入学者がいなければ’19年度いっぱいで“廃校”にすることを決定しました。2月10日現在で志願者は62人。もう後がない……」
困り果てた表情で話すのは、北海道・北星学園余市高等学校の安河内敏校長(51)。北星余市と言えば、TBSドラマ『ヤンキー母校に帰る』(’03年)の舞台となった高校。竹野内豊が演じた主人公のモデルは「ヤンキー先生」こと義家弘介氏(45)、現在の文部科学副大臣である。
北星余市は’65年に開校、’88年より全国の高校中退者を受け入れる転・編入制度を実施して注目された“名門”だが、まさか存続の危機とは―。
本誌はさっそく、10代の少年少女の心理に詳しい精神科医で立教大学教授の香山リカさん(56)