「育児の時間はマイナスじゃない」“リケジョの第一人者”の進言
と叱咤した。この一言で覚悟が決まる。
「育児に手がかかるのは長くても数年のこと。出費が多くなるのも一時期だけだと思えば、長い人生のなかでは“自分への投資”なんですね。私たち女性は、それを絶対に“マイナス”と捉えてはいけないと思います」
美馬さんは、こうして人の手を借りることは、自分だけのメリットではないと説く。
「私にとって、仕事と育児の両立は、『学生と母の力』を借りることでした。前年に夫を亡くした母にとって“孫育て”は生きがいに、学生には、育児しながら働く母親の見本に、私自身は経験を積み続けることになった。“三方よし”の考え方が育児には当てはまるのです」
そしてこの発想が、これからの女性の生き方に“生きてくる”はずだと提案する。
「昔は60歳が定年だったかもしれませんが、いまは80歳、90歳になっても現役で働いている方はたくさんいます。だからセカンドキャリアはおろか、サードキャリアにだって挑戦できる。