敷地内にホットスポットを放置!環境省の“デタラメ除染”前篇
は、官僚らに、こう疑問を投げかけた。
「除染しても時間が経つとまた線量が上がっています。そんな場所で、どうして生活できるのですか?」
しかし、環境省の担当者は、「現地を見てみないとわからないので、個別に対応します」と木で鼻をくくったような返答に終始。住民からは、ためいきまじりの失笑がもれた。浪江町と富岡町は、福島第一原発から20キロ圏内に位置。両町合わせて2万人近い町民が、今も日本各地に避難中だ。福島第一原発事故から6年。政府は「年間被ばく量が20ミリシーベルトを下回った(※)」として一部の帰還困難区域を除き、浪江町、飯舘村、川俣町山木屋地区の避難指示を3月末に、富岡町は4月1日に解除すると決定した。
除染費用を2.5億から4億に引き上げた
それでも、冒頭のように解除に反対する住民は少なくない。復興庁の住民意向調査でも、「避難指示が解除されたらすぐに、あるいはいずれ戻りたい」と回答したのは浪江町で17・5%、富岡町で16%。理由は、病院やスーパーなど、生活のためのインフラが整っていないこともあるが、「除染しても、安心して暮らせるほど線量が下がらない」