花壇から基準値8倍の汚染土!環境省の“デタラメ除染”中編
また、近くに汚染がれき等の焼却施設がある富岡町の復興拠点周辺でも、アパートの玄関前の地表面で、毎時5マイクロシーベルト超え。こうした場所に住民を戻して、健康被害が生じた場合は、誰が、どう責任をとるのか。住民懇談会で中心になって説明を担った原子力災害現地対策本部、住民支援チーム本部長の後藤収氏に、懇談会終了後に尋ねてみた。するとこんな言葉が――。
「健康被害は起きないと思いますよ。もし起きたら、そのときに考えます」
今回の測定結果を聞いた住民はこう語る。
「やはり、孫を連れては戻れません。自宅は解体することにしました」(上田さん)
「基準の8倍なんて。
やはりここには住めません。でも、避難指示が解除されたら賠償は打ち切られる。避難先の家賃をどうやって払い続けたらいいのか」(門馬さん)
「安全だというなら、国は明確な根拠を示し、万が一のことがあった場合の補償を確立してほしい」(佐藤さん)
除染に希望を持っていた住民は多かったはずだが、ずさんな除染の顛末は、住民に失望だけを与えている。
→後編へ続く
取材・文/和田秀子