「家族が肉片に…」沖縄県遺族連合会・元会長語る爆撃の記憶
一家は、隠れていた洞窟を出て、投降したという。
「今は海、奇麗よねぇ~。でも、あのときは海岸に、水膨れした死体があちこちにあったよ。もう、なんの感情もなかったね。戦争は本当に、人の心を変えてしまうんだよ」
照屋さんの長女・知子さん(51)が小学4~5年生のとき、身近な人の戦争体験を聞くという宿題が出た。知子さんが照屋さんに尋ねると、いつも朗らかな表情が一変。驚くほど口が重かったという。自らのつらい体験は、長い間、誰にも話せなかったのだ。
「戦争を体験した人は、みんな、つらいことは、家族に話せていないんですね。だから、下の世代に伝わってないのね」
このことがきっかけとなり、照屋さんは、遺族会の女性部で、戦争体験を次世代に伝える「語り部の会」を開くようになった。
「戦争を知らない若い世代に、その悲惨さ、平和の尊さを語り継がなくてはならない。それが、生き残ったものの使命ですから」