寡黙で、何を考えているのかわからない。それでも自分のなかにある芯は最後まで貫いて。政次は、一人の人間として、こうありたいと思える一つの理想形だったような気がします」
大役を無事に務め終え、いまいちばん何がしたいかを聞いてみると、役柄について思いをはせていたクールな表情をクシャッと崩して、こう話してくれた。
「自転車をこいで、いろんなところに行ってみたいです。以前からの趣味です。あとは……、いっぱい食べたいかな。役作りで少し抑えていたのもあって。肉を食べたい」「クランクアップした日の夜は、お風呂に入っているときに『そういえば(撮影が)終わったんだよな……』と思って、寂しさがこみあげてきました。
政次のことをずっと考えながらつかっていました(笑)」
そう語るのは、NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』(日曜20時〜)で、主人公・直虎(柴咲コウ)を陰ながら支える家老・小野政次を演じた高橋一生(36)。’17年上半期のナンバーワンブレーク俳優とも評される彼だが、政次という思い入れの深い役との出合いもあって、今年は特別な時間を過ごせているという。