三上真史 「育てるの好き」出演舞台で“熱血教師”役に
僕たちがまだ純粋だった年ごろにですよ(笑)」
友達が嘘をついたことや、先生が話を信じてくれなかったことがショックだったのを今でも覚えているそうだ。
「森田先生だったら僕らの話にも耳を貸してくれたでしょうね。人の心の痛みや挫折感は経験しないとわからない。ずっと挫折せずに正義と真実だけで生きてきたら、森田先生のように子どもの可能性を信じる指導ってできないと思う」
子どもは大人をしっかり見ていて、マネして育つ。
「たとえば、小学生のころは先生が黒板に書く字に自然と似てきたりして。よく『今どきの若者は』と言うけれど、大人の子どもに対する嘆きの原因は、親や先生たち大人の教えを子どもがそのまま反映しているものかもしれない。大人は子どもにとって鑑(かがみ)なんです」
教育と園芸は似ている。三上は「“育てること”が好きです」と楽しそうに言う。
「正解がないことが好きなんですよ。まだ花を咲かせていない新芽の状態の子どもたちと一緒に、僕自身も育っていくのがいいな。人って、出会いの積み重ねで影響を受けてでき上がっていくものだと思っています」
物語ってあたたかい…肌寒い季節に読みたいほっこり作品【TheBookNook #34】