伊達公子「ぽろっと涙を…」恩師が明かした“挑戦の軌跡”
日本女子テニス史上最高の世界ランク4位を記録し、四大大会中の3大会でベスト4という快挙も成し遂げた。しかし、伊達は絶頂期の26歳で突然引退を選ぶ。日本中、いや世界のテニスファンが耳を疑った。小浦さんは言う。
「あのとき、実は肩を怪我していたんです。そんな状況なのに、ルールが変わってノルマの試合数が増えてしまった。怪我を押してまで、たくさんの試合をこなすリスクを背負うのは無理。彼女は限界に来ていると、私も思いました。
『やり残したことはないか』と確認すると、伊達も『もうやめても後悔はない』と」
引退した伊達は、子供たちにテニスを教える活動などに忙しい日々を送っていた。だが、`08年に突然の“現役復帰宣言”。11年のブランクを経て、37歳になっていた。
「本人も『やれて1年ぐらいかな』と言っていましたけど、結局、9年半も続いたことになりますね。すごいことです。復帰して数年間が人生でいちばんテニスが楽しかったはずです。最初の現役のときとは別人で、コートで笑顔にあふれ、本当に楽しそうでした」
復帰3年目には世界ランク40位台にまで上昇した。