がんのママを診察するとき、女性医師が心がけていること
できあがった料理を楽しげなおしゃべりとともに完食すると、午後から親子別行動。子どもは託児室で遊び、ママのほうは調理室の隅で輪になり。「かたりBa」を始める。
「かたりBaは、ママ同士で思いを吐き出す場所。私がアドバイスしたり、答えを与えたりするものではありません」(金城さん)
がんのママたちが互いに共感することで生まれる力。それが病気と向き合うために大切だと金城さんは言う。
乳腺外科の第一線で、金城さんは、身の引き締まる思いでスキルアップに取り組んでいる。医師としての能力や技術はあって当然のこと。
だから日ごろのトレーニングはもちろん、学会や研修、高名な医師の講習会などで勉強する。専門分野にとどまらず、患者とのコミュニケーションスキルを学ぶワークショップにも自発的に参加。
「心優しいだけのヤブ医者になってはいけない、そう自戒しています」(金城さん)
医師としての金城さんを知る人たちは、どんなふうに感じているのか。「舞先生の診察は、待ち時間が長いんです」と笑うのは菜々美さん(仮名・44)。現在、ささえ隊スタッフの彼女は、37歳で子宮がん、42歳で乳がんを患った。