“新黄門様”武田鉄矢もビックリ!『水戸黄門』のしきたり
でも、黄門様はいっさい関係ないんです。わらじを履いていても、その直後のシーンで印籠を出すときはいつの間にか草履に履きかえているわけ。『決まりだから』と言われて驚きました。役者人生で初めてで、伝統ある作品ならではの、摩訶不思議な流儀だな、と(笑)」(武田・以下同)
■立ち回るエキストラは超ベテラン
「印籠を出して悪人たちが『ハハーッ!』とひれ伏す場面。エキストラが『格さんのセリフがちょっと早いなぁ』と注文をつけるんですよ。聞けば、初代のころからずっと頭を下げてるって(笑)。あと、有名な“2万回斬られた男”に握手してもらってね。斬られ役もみんなベテランで、新人は僕たちだけというのがおもしろい」
■限られたセリフで、黄門様のひと言がもつ重み
「1シーンはだいたい台本の2〜3ページで、そのうち黄門様のセリフは行数にしたら5〜6行、と言うならば二日酔いでも入れられるセリフの量なんだな。
しかも、いっぱい出てる(笑)。これが伝統あるドラマの単位なのかと感心しました。セリフの一語一句に、含蓄もあればユーモアもあって、非常に巧みなんです」