「被害者の7割抵抗できず」伊藤詩織さん訴える性犯罪の惨状
に審査申立を行ったが、不起訴相当の議決が出た。そして、「同じような被害に遭う人をなくしたい。そのためのキッカケになれば」と、詩織さんは自身のレイプ被害をすべてさらけ出し、出版に踏み切ったのだ。
「レイプのような性暴力をなくすには、まず、被害をオープンに話せるようにしないといけないと思ったんです」(詩織さん・以下同)
著書のなかには、被害を訴える難しさを裏付けるデータも。’15年に内閣府男女共同参画局が実施した「男女間における暴力」に関する調査では、15人に1人という高い割合で、女性が「異性から無理やり性交された」とある。しかし一方で、事件化している件数は、人口10万人あたりで、わずか1.1件。
「職場で被害を受けて周囲の人や警察に相談したら、その会社で働けなくなるかもしれないし、生活を失ってしまうかもしれない。そんなことを考えたら、言えないですよね」
勇気を出して訴えるためには、被害者を守ってくれる法律や、社会システムが必要だ。
詩織さんが、真っ先に必要だと考えるのが、性被害者に対応した医療センターだ。
「私が以前取材したスウェーデンには、レイプ緊急センターがあり、365日24時間体制で被害者を受け入れています。