香山リカさん心がける“セクハラ被害”受けた家族や友人のケア
性暴力被害に遭った場合、心のケアがまずは大事。とくに避けなければいけないのが自己嫌悪に陥ることだと香山さんは言う。
「“私はレイプされた女”と自分自身に間違ったレッテルを貼ってしまう方も多いのです。ときには医師としてではなく、『姉の立場として考えれば』と慎重に語りかけ、『あなたの存在のすばらしさは変わらない』ことを強調。自分が傷ついた人間ではないということを彼女が理解して、それが警察に訴えるという動きに変わっていければいい」(香山さん)
その後は自治体にある性被害支援の女性センターや、知人の女性弁護士を紹介することもあるそう。
「NPOでは警察の取調べに付き添ってくれるスタッフもいますが、警察の担当者が理解ある人ばかりとは限りません。『女性のスタッフを準備してください』と依頼してもいいでしょう」
性暴力事件が起きると、被害者の家族もまた心を傷つけられる。
「『まさか自分の家族が』と認めたくないとの思いもあるでしょう。
でも最後まで味方でいられる存在は家族だけ。まずは『私たちがいるから』という安心感を与えられるように接してください。