くらし情報『研究所でも測れない放射能を検出…3.11被災地“母親たちのNPO”がスゴイ』

研究所でも測れない放射能を検出…3.11被災地“母親たちのNPO”がスゴイ

 

「ベータ線を発するストロンチウムやトリチウムの測定には手間もお金もかかるので、国でも、決まったものしか測定していません。検査機関にベータ線の測定をお願いすると、かぼちゃ1個を測るのも20万円かかる。だからこそ、自分たちで、簡単に、安価に測れる体制をつくる必要があったのです。すべては子どもの未来を守るため、の一心です」(鈴木さん)

その純粋な思いは、多くの人の心をつかみ全国から寄付が集まった。数千万円を超える国内外からの寄付で、たらちねは、最先端のベータ線測定器を、日本で初めて導入した。’14年12月、「ベータ線ラボ」を開設。だが、問題はここからだった。サポーターで元・日本原子力研究所の天野光・工学博士はこう語る。


「ベータ線の測定は、標準的な方法で行うと、皮膚に付着したら骨まで浸透するほど危険な試薬を使わなくてはならないこともあります。しかも、時間がかかる。お母さんスタッフが測るなら、もっと安全で簡単な方法にする必要がありました」(天野氏)

鈴木さんたちは、天野氏らの助言を得ながら試行錯誤を重ねた。そしてついに、国が定める方法より安全で、測定に要する日数も、3週間から1週間へと短縮化することに成功。

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