つまりは、もともと自分でも全部わかって『火花』を書いたわけじゃないし、いまも、本当の意味を答えられないんです」(又吉・以下同)
発表から3年。自身が感じる“『火花』前”と“『火花』後”の変化は?
「以前は、本好き、洋服好き、サッカー好き、社交的でない、とか、僕についていろんなトピックみたいなものがあったと思うんです。でもいまは、それが1回なくなって、“本を書いた芸人”という見られ方になった。もしかしたら、芸人として幅が狭まったかもしれないですね(笑)」
『火花』に登場する先輩芸人・神谷のセリフには“芸人・又吉直樹”の本音も垣間見ることができる。
「神谷が、『芸人は、芸人をやってなくても芸人や』みたいなことを言う。それは僕自身、芸人というものを職業として捉えてないからなんですね。世間がイメージする“芸人”という形をやることが、はたして芸人なのか?と。おのおのに芸人としての立ち方があると思うので、自分なりのやり方で面白いことをやっていけたらいいなぁとは思っています」