2018年5月21日 16:00
作家・下重暁子が提言「“生涯現役”は50代の生き方が決める!」
私自身は50歳を前に、仕事でもプライベートでも、あえて「しんどいことを始めよう」と決めました。それまでの経験や技能をもとに、新たな挑戦を試みたのです。
仕事では、ノンフィクションの取材を始めました。自分の足で現場を歩き、けっして嘘は書けない世界に挑みたかった。実際、3年をかけて書いたのが、最後の瞽女といわれた小林ハルさんの生涯を追った『鋼の女』(講談社)です。
プライベートでは、幼いころから憧れていたクラシックバレエとオペラを習い始めました。
50代になると、みなさん、自分のこと以外でも、大きな変化が生じます。子どもに頼らない生き方については、拙著『家族という病』(幻冬舎)にも書きました。
期待とは、夫や子どもにではなく、自分にするもの。
夫との関係も、男性は定年などを意識し始める時期。私の連れ合いも、まさに50歳でテレビ局を辞めて独立しましたが、まもなく大病して、お互いをいかに知らなかったかに気付きました。以来、タイミングが合えば、映画や音楽会などに誘っています。
ただし、夫婦でも一人の生活を大切にするのも、この時期からは必要なこと。