くらし情報『「青鞜」編集部を描く二兎社の新作に永井愛が込めたものとは?』

「青鞜」編集部を描く二兎社の新作に永井愛が込めたものとは?

“元始、女性は太陽であった”に始まる青鞜の創刊の辞を書いた平塚らいてう、政治思想家・大杉栄の内縁の妻であった伊藤野枝など、確かに浮かんでくるのはかいつまんだ知識による表面的な人物像のみ。宮本研の戯曲『美しきものの伝説』や『ブルーストッキングの女たち』などにも登場するが、「大杉栄などの男たちを彩る存在として出てくるけれど、彼女たちが青鞜に何を書き、何を論争したのかということには踏み入っていない。興味の視点が違うんだと思います」。永井がフォーカスしたのは、青鞜が創刊した翌年から廃刊に至るまでの、わずか5年足らずの彼女たちの奮闘だ。

「らいてうが本当にやりたかったのは文芸よりも評論だったけど、当局から監視されることを懸念して、いち文芸雑誌としてスタートさせた。でも文芸誌として誰を輩出したかとなると、与謝野晶子も田村俊子も当時すでに有名だったし、青鞜が育てた才能はとくになかった……という評価になってしまうんですね。ただ、途中から概則を“女流文学の発達を計る”から“女子の覚醒を促す”に変えると、途端にさまざまな論争が起こる。そこが非常に面白いんです。
私は、あの頃の女たちが論争した、ってことが凄いと思う。

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