【おとなの映画ガイド】ゲーマーがプロのレーサーに! 夢のような、でも実話の映画化──『グランツーリスモ』
ル・マン24時間耐久レースでの活躍は、カーレースファンのあいだでは、ついにそういう時代がきたか、と話題になったできごとだ。
まさにドリーム・カム・トゥルー。ちょっと信じられないけれど、あるんだね、こういうことが。
ストーリーは、かなりエンタテインメント仕立てになっているが、ほぼ事実に基づいている。
2008年に、日産、プレイステーション、ポリフォニー・デジタル(ソフト開発会社)が手を組み、革新的なドライバー発掘・育成プログラム「GTアカデミー」を設立する。世界中からゲームのすご腕プレイヤーを集めて、プロドライバーに仕立てる、というもの。ここから育ったひとりがヤン・マーデンボロー。この映画の主人公だ。
ヤン(アーチー・マデクウィ)はイギリスの労働者階級の家庭で育った高校生。子供のころからレーサーに憧れていた彼は、たちまち『グランツーリスモ』に夢中になった。ゲームばかりして…と心配する家族をよそに、どんどんのめり込んでいく。ある日「GTアカデミー」の話を聞きつけ、地区予選から参戦。見事に勝ち抜き、アカデミーに選出されるが、そのリアルレーサーへの道は、予想をはるかに超えるものだった。