2023年3月10日 20:30
激動の時代をジェットコースターのように駆け抜ける、異色のミュージカル『太平洋序曲』開幕
撮影:岡千里
梅田芸術劇場と英国メニエール・チョコレート・ファクトリー劇場との共同制作ミュージカル『太平洋序曲』が2023年3月8日(水) に日生劇場で開幕した。
舞台は江戸時代末期。アメリカより黒船が来航し、鎖国から開国へと大きく舵を切ることを迫られた激動の時代。その時代の波に翻弄される人々を「日本の視点」で描く異色のミュージカルだ。1976年にブロードウェイで初演。日本では宮本亞門演出で2000年に初演され、2011年に再演もされている。今回は2017年に一幕劇としてオフ・ブロードウェイで上演された際の脚本に基づき、新演出で上演される。
3月8日(狂言回し:山本耕史、香山弥左衛門:海宝直人、ジョン万次郎:ウエンツ瑛士)と9日(狂言回し:松下優也、香山弥左衛門:廣瀬友祐、ジョン万次郎:立石俊樹)の両日、本番を観劇した。
舞台上には、日の丸にも月にも太陽にも、そして丸窓にも見える巨大な円が浮かび、「日本的」な美術品が並ぶ。客電が落ちる前から、現代を生きる人々がその美術展らしき会場に集まり、美術品と会話を楽しむ。しばらくすると、現代の美術コレクターという設定の狂言回しが現れ、「此処は島国(The Advantages of Floating in the Middle of the Sea)」