2021年10月23日 12:00
1950年代のレトロかわいい“マイホーム”が現代を映し出す、『Home, I’m Darling~愛しのマイホーム~』観劇レポート
彼女の持つクールであっけらかんとした持ち味が、アレックスをジュディと対照的な人物として映し出すのに貢献していた。転換時のモデルウォークやポージングで観客をクスリと微笑ませるひと幕も用意されている。
『Home, I’m Darling~愛しのマイホーム~』より
1950年代に染まりながらもMacBookを広げ、「夫は外へ働きに出て、妻は家を守る」という旧弊の価値観をアップデートして「理想のライフスタイルを実現した夫婦」を目指したはずのジュディとジョニー。やがてすれ違う二人の背後に透けて見えるのは、ジェンダー格差、学歴社会、セクシャルハラスメントなど現代人の俎上に載る社会問題のオンパレードだ。となると、レトロかわいいマイホームは現代の“映し鏡”といえるだろうか。目の当たりにすると生々しい各種課題が、イギリスらしいウィットに富んだ皮肉とユーモアでコーティングされたらどうなるか。夫婦が出した結論も劇場で見届けたうえで、終演後に考察してみては。
上演時間は約180分(休憩含む2幕)。
東京公演は11月7日(日) まで。その後、月末にかけて兵庫・大阪・愛知・山形・岩手・宮城と巡演する。チケット販売中。
取材・文:岡山朋代
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