2022年9月7日 12:00
King & Prince・髙橋海人が映画『アキラとあきら』で見せた“存在感”。現場レポート④
そのどれもが監督が演出で指示してつけたものではなく、髙橋が芝居をする中で自ら出してきたものだ。そして、気づかされる。髙橋の佇まいに子供っぽさがあったとしたら、それは龍馬が子供だからなのだ。もちろん、髙橋自身にもそうしたかわいらしさはある。ただ、今この場では、明らかに龍馬なのだ。
しかも、それが過剰じゃない。やろうと思えば、もっと嫌味にも、もっと情けなくも振れるキャラクターだろう。しかし、精一杯、自分を示そうとしている龍馬を真っすぐありのまま等身大に表現していて、だからこそ龍馬という人間のかわいらしさや哀れさ、怒りや哀しみが伝わってくる。
ありのままのその人を等身大で表現する。それが俳優としての髙橋海人の強みで魅力なのかもしれないとも気づかされる。
素顔の印象が朗らかで自然体というのも、彼自身が何事にもバイアスをかけず、フラットにすべてを見て、それこそありのまま等身大に臨んでいるからだろう。嘘や飾りや気取りがない。演技においてもそれは同じで、演技を通して表現される人物においてもまた同じ。
「また皆さんとお仕事できるように頑張りたい」
そんな髙橋の最後の撮影となったのは、9月4日。東京・千代田区の会社ビルの一室を借りてのロケだ。