藤原季節「この物語にすごく救われた」映画『DIVOC-12』インタビュー
熊本の方言で「のさり」という言葉あって、「天から与えられたもの」とか「あるがままを受け入れる」という意味で、そういう心境というか。
自分と違う考えを受け入れることができたら、その先に自分が知らない自分が待っているかも、と思えるんです。自分の変化を見てみたいんです。
もちろんそれが間違っていることであれば言いますし、作品を一緒に作っていく上では自分の考えていることを伝えないといけない場面はあるので、それは前提にありますけどね。
――最後に本作を観てくださる方にメッセージをお願いします。
物語の舞台がどこかもよくわからない、世界の片隅で生きている人たちの物語です。取り巻く環境が閉塞した状況であっても、それを打ち倒すんだ、という気持ちに溢れた作品だと思います。
それは、厳しい現実を見つめつつ、物語にロマンを持っている三島監督だからこそ、撮れたのだと思います。
いい意味で他の11本とは似ていなくて、僕はこの作品に出演できて幸せだな、と思いました。
作品から何を感じるかは、観た人の自由ですけど、僕自身は、閉塞した状況があっても、変えるというか、ぶっ壊すことができるんだ、と。これまで生きていく中で培ってきた価値観すらも、誰かと出会って破壊することができるんだ、と。