藤原季節「この物語にすごく救われた」映画『DIVOC-12』インタビュー
最初に台本を読んだ段階では、余白が多くてなぜこのセリフなのか、というのが自分の中で結びつかなかったんですけど、三島さんとも相談しながら、一つひとつ埋めていきました。
三島有紀子監督作品「よろこびのうた Ode to Joy」 ©2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved.
――そんなに細かいところまで決めて演じていたのですね。ただ観客側はその辺りが一切わからないわけですが、それについてはどう考えていましたか?
スクリーンの向こう側の人にどう届くか、ということは、僕自身はあまり考えていませんでした。僕にとっては、歩という存在をどれだけ信じられるかが重要なので、目には見えないもの、映画の中では描かれていないことを埋めていくことが重要でした。
それを埋めることで信じる気持ちが強くなる、というか。自分の中のそういう気持ちが弱いと、カメラの前に立っていても不安になるんです。
三島有紀子監督は「感受性が溢れ出てしまっているというか、堰き止められない人」
――冬海役の富司純子さんの印象を教えてください。