隈研吾の建築を、ネコの目線で再検証!? クマとネコの意外な関係とは?
オドゥンパザル近代美術館(トルコ) 2019 (c)Erieta Attali
――それで展覧会でも、ご自分の建築を、「孔」とか、形や素材の「やわらかさ」といった、ネコの好む5つの要素ごとに解説されているんですね。
そう、ル・コルビュジエの「近代建築の5原則」ならぬ、隈研吾の「ネコの5原則」ね。
隈建築のキーワードのひとつは「ウェルカム感」
――隈建築といえば、木材を使った、和のテイストを取り入れた建築、という印象を勝手に持っているのですが、それもネコと関係があるのでしょうか?
そうですね、路地裏をうろついているネコは、やはり木とか土とか自然の感触が好きでしょ。
それから和のテイストに関しては、僕自身は「日本的」であることにこだわってはいません。ただ、本展を企画した保坂健二朗さん(ゲスト・キュレーター/滋賀県立美術館ディレクター(館長))が、僕の建築の特徴を、“たくさんの人が集まる場所”と言ってくれたように、僕の設計の大事な基準が、いかにウェルカムな感じを作るかということなんです。
La Kagu 2014 (c)SS Co., Ltd.
そう考えると日本の伝統建築は、少しだけひさしが出ていたり、縁側があったり、西洋の石の建築に比べて、だんぜん人を迎え入れる感覚があるんです。