2022年12月22日 12:00
とっておきのサックスとの出会い 若き名手が招くサントリーホールの優雅な午後
「このプログラム、最高です。果物のいちばん甘いところだけを食べるみたいな、ぜいたくで凝縮されたプログラムですね」
サクソフォン界の若きエース上野耕平は、「最高」を何度も繰り返した。日本フィルとサントリーホールがタッグを組んだ好評シリーズ「とっておきアフタヌーン」にソリストとして出演する[2月1日(水)サントリーホール]。
平日午後のエレガントな名曲コンサート。今回上野はソリストとしてピアソラと《スカラムーシュ》(ミヨー)を吹く。でもそれだけではない。コンサート後半は、なんとオーケストラの中に入って、〈剣の舞〉でおなじみの《ガイーヌ》(ハチャトゥリヤン)や《アルルの女》(ビゼー)のサクソフォン・パートを演奏するのだ。
「オーケストラの中で演奏するのは最高なんです。
すごく楽しい。なんならオーケストラに就職したいぐらい(笑)。たくさんの機会をいただいて、サクソフォンの出てくる主なオーケストラ曲はだいたい吹きましたけど、《ボレロ》だけがまだ一度もないんですよ」
ちなみにサクソフォンは19世紀半ばに誕生した、クラシックの歴史の中では新しい楽器なので、サクソフォンが編成に加わるのはそれ以降の作品に限られる。