上田久美子、宝塚歌劇団退団後初の舞台演出「不可視なものをちゃんと描いていきたい」
「イタリアのゲストの歌手の方たちには、イタリアのその当時に描かれたキャラクターたちの魂、その心情をイタリア語で歌ってもらい、ダンサーたちは現在の日本人を、ごく日常的な格好で、決して良い服をまとってはいない人々として動きで表現していく。昔のイタリアといまの日本が重ね合わさったような重ね絵のようなものをつくりたい」。
蘭乃はな、念願叶って上田演出作品に出演「とても嬉しい」
斬新な手法で宝塚の舞台に新風を吹き込んできた上田だが、ひとつの役柄をふたりの人間が演じる大胆な演出プランには出演者たちも驚きを隠せなかったようだ。ダンサーのひとり、「道化師」のヒロイン、ネッダ(寧々)を歌手の柴田紗貴子と対になって演じる元宝塚歌劇団花組トップ娘役の蘭乃はなは、「劇団時代は上田さんの作品に出演することはなかったのですが、念願叶って今回ご一緒させていただくことになり、とても嬉しい。上田さんの作品は私たちが日頃もやもやしていたり蓋をしていたりするものを、むりやり蓋をこじ開けて、“こういうことでしょ”と突きつけてくるヒリヒリ感みたいなものがある。かなりこだわりの強いタイプの演出家さんなので、皆さん一緒に頑張りましょう!」