現代のダンスを牽引するNDT(ネザーランド・ダンス・シアター)、5年ぶりの日本公演「皆さまの思考を刺激し忘れられない体験を」
長くカンパニーを率いたキリアンの時代ののち、芸術監督はライトフット、モルナーへと引き継がれたが、NDTの革新性、創造力は失われるどころか、新たな道を切り拓くべく、より貪欲に前進する姿勢を見せる。続いて行われた質疑応答でも、現在のNDTの状況、取り組み方についてさまざまな質問が寄せられた。
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エミリー・ モルナー ©Tatsuo Nambu
カンパニーで振付を手掛ける芸術監督が続いた中で、モルナーは監督の仕事に専念。そのことについて彼女は、「多くのカンパニーは長年、ひとりの振付家の作品を発表していくことを基本の形としていた。NDTのような大きい組織をどのように運営し、業界全体でどのようにさまざまな振付家を支援していくかということを考えると、ひとりの振付家ではまわっていかない。NDTのアイデンティティはひとりの特定の振付家の声ではなく、このダンサーたちの技巧その表現の幅広さにあると考えます。もちろんバランスも考え、キリアンの作品も毎シーズン上演していますが、それと並行し、いわば次のイリ・キリアンを探す、その橋渡し、支援ができるようなカンパニーとしてやっていきたい」と考えを述べた。
モルナー率いる現在のNDTの魅力のみならず、今後のダンス界の可能性をも実感させる、充実の日本公演となるだろう。