2021年6月2日 12:00
柴咲コウ「“悪役”に共感したこと」 映画『クルエラ』インタビュー
―—クルエラは“悪役”ですが、彼女に共感する点はありましたか。
善悪は決めやすいんだけれど、今までのキャラクターものとかアメリカの映画とかでも“善”“悪”みたいな、「悪いものやっつけろ! わー! 」みたいなのがあるけれど、やっぱり私はなんでそうなったのか裏側を知るというのがすごく大事だと思っていて。
しかも今回はすごい回収の仕方だったと思うんですけれど。もちろん法を犯してはいけないよっていう大前提はありながら、でも生きていくために仕方ないじゃんとか、自分自身は素直に生きているだけなのに、親とか周りの大人たちに裏切られるとか、そもそも元々の環境が最悪だったとか、そういうこともあるわけで。
自分自身がそうじゃないから、それでも真面目に生きていたら良いことあるって言うかもしれないけれど、当事者はそうじゃない、ものすごい深い傷を負ったり闇を抱えたりするわけで。そこに対してある種の共感力というのは社会全体で必要なことなんじゃないかなと。
もしそうやって共感してくれる人がもっと早くに現れていたら、今回の仲間たちのように、いたらもしかしたらその人は悪に手を染めなかったかもしれないし、悪とは言っているけど演出かもしれないとか、そういうことでできるのになっていうのは思います。