2022年2月28日 18:00
『Chim↑Pom展』森美術館にて開催中 17年にわたる活動で彼らが問いかけてきたこととは?
Chim↑Pomは、これまでにも自由に通行ができるよう私道を作ったり、美術館の屋内外に一本の長い道を作ったりするなど、さまざまな形の道を作り、そこで公共性についての問いかけを行っている。美術館内に現れた道もまた、新しい問いかけの場所となるはずだ。
「道」は各所に設けられた階段から出入りできる。
セクション「Don’t Follow the Wind」は、2015年から現在に至るまで開催されている国際展の名称でもある。この国際展はChim↑Pomが発案し、国内外12組の参加作家の作品が会場に設置されている。
ただし、展覧会会場は 東京電力福島第一原子力発電所事故によって帰還困難区域内と指定された地域内にあり、一般の人は2022年になった現在も訪れることはできない。本セクションでは、この見ることができない展覧会を、サウンドインスタレーションとして展示。東京の風景を眺めつつ、福島の現在の状況に思いを馳せさせる内容となっている。
《Don’t Follow the Wind》(2015/2022)
また、Chim↑Pomは広島との関わりも深い。広島の原爆ドームの上空に飛行機雲を発生させた《ヒロシマの空をピカッとさせる》は、さまざまな論争を呼んだが、その後も広島の人々と対話を重ね、プロジェクトを続けている。