2021年4月9日 12:00
初期の風景画から「コンポジション」シリーズまでを展観 SOMPO美術館で開催中の『モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて』をレポート!
2021年はオランダ人画家、ピート・モンドリアンの生誕150周年。これを記念した展覧会『モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて』が、SOMPO美術館で開催されている。オランダのデン・ハーグ美術館が所蔵するモンドリアンの作品約50点のほか、国内外からの作品約20点で、モンドリアンの足跡をたどる展覧会だ。
水平、垂直の直線と、赤・青・黄色の三原色を組み合わせた「コンポジション」シリーズで知られているモンドリアンだが、誰もが知るこれらの作品にたどり着く前も、さまざまな作風で絵を描き、1944年にニューヨークでその生涯を閉じるまで、自分なりの「純粋な美」を追求しつづけていた。本展では、そんなモンドリアンの制作スタイルの変遷をたどっていく。
1872年にオランダ中部、アメルスフォールトで生まれたモンドリアンは、アムステルダム国立アカデミーで絵画を学ぶ。当初は自然主義的な風景画を描いていたモンドリアンは、アムステルダムの地で印象派やハーグ派の影響を受けていく。ハーグ派とは写実主義に影響を受け、くすんだ色味を多用していた、主にオランダの都市ハーグを拠点に活動していた画家たちを指す。渡仏前のゴッホも強く影響を受けていたという。