2021年11月26日 15:40
【ライブレポート】HYDE、故郷の和歌山でツアー完走「死ぬんじゃないかと思うくらい、幸福な時間でした」
会場のあちこちからすすり泣く声が聞こえていたのは、誰もがHYDEたちの努力と苦労を痛感していたからに違いない。あるいは、自分を信じたい……そう歌う「BELIEVING IN MYSELF」の歌詞に、この街で育った青年の夢と人生を重ねていたのかもしれない。
「ひと区切りつける日を和歌山で迎えることが出来て、とてもとても嬉しく思っています。」拍手が鳴り止まない会場で最後に披露されたのは、和歌山の青春時代をイメージして作ったという「MEMORIES」と、そんな思い出深い和歌山でMV撮影をおこなった「NOSTALGIC」だった。3年前、初めてビッグホエールのステージに立った際は「MEMORIES」で号泣し歌いきれなかったHYDEが、「今日は大丈夫だと思います」と宣言する。
「MEMORIES」で歌われる記憶のすべては、この街での出来事なのだと、改めて実感する。この日は宣言通り、スクリーンに映る彼の頬に涙は見えなかった。歌い終わった後、後ろを向いた姿が涙をぬぐうような仕草に見えたのは、気のせいだったのかもしれない。そして、列車が進むイメージが浮かぶリズムの中、「NOSTALGIC」の切なく美しい旋律と歌声が響く。