くらし情報『市川中車「歌舞伎の舞台にこそ、生きている実感があるんです」『七月大歌舞伎』で4度目の秀の市』

2021年6月20日 12:00

市川中車「歌舞伎の舞台にこそ、生きている実感があるんです」『七月大歌舞伎』で4度目の秀の市

コロナ禍で以前のような歌舞伎座の雰囲気はまだまだ戻ってきていない。

「去年のコロナ自粛期間中は、その前から始めていた日舞の稽古をずっとやっていました。体ができていないと動けませんのでね。今思うのは、大向こうさんだけでも戻ってきてくださったらなあと。声がかからないのは僕だって寂しいのですから、大先輩方はさぞかし寂しい思いだろうと思います。義太夫さんが黒い前垂れで口を覆っていますが、あれも苦しいだろうと思いますね。早く何とかしてあげたい」

コロナ禍でなければ今年の夏、歌舞伎座の舞台にも、舞台から見える客席にも、違う景色があったかもしれないとも。

「良くも悪くもこの夏はザワザワした雰囲気になるでしょう。
でも僕らは毎日歌舞伎座で粛々と歌舞伎をやるだけです。毎日寸分違わず同じ時間に楽屋へ入り、ミリ単位の違いに神経をとがらせて正しい位置を狙い、一人ひとりがそれぞれの家や歴史を背負って毎日舞台に立つ。それをその日いらしたお客様がご覧になって帰っていく。その一日限りの交差がなんとも面白いですよね。歌舞伎の醍醐味だと思いますね。コロナ禍の前の状態に一日も早く戻すためにも、いつも通り、ぶれずにしっかりと勤めなければと思っています」

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