今泉力哉監督の『からかい上手の高木さん』、永野芽郁と高橋文哉が共演、不器用でちょっぴり風変わりな純愛ストーリー【おとなの映画ガイド】
3週間の実習先に母校を選んだのは、もちろん理由があったわけだが、ひと足先に社会人になった西片は、あいかわらずまだ、とっても鈍い。
10年間も初恋の人を想い続けるって、それ現実的?と感じる節もあるけれど、先月日本公開された『パスト ライブス/再会』もそうだった。あれも、淡い恋心を抱いていた幼なじみが、親の都合で離ればなれになり、大人になって再会する話だった。成就するかどうかは別にして、長い時間をかけて想い続ける純愛ってのは、心に響く。
見ているあいだ、微笑ましくって、いい気分にひたれた。なんて可愛らしいカップルだろう。とはいえ最初は、もどかしさ、はがゆさでむずむずしてしまう。が、慣れてくると、実はこれが、この映画の魅力なのだと気づく。
からかい、からかわれの関係。でも、そんな中でほんの少し、ふたりが沈黙してお互いを見つめる瞬間があったりする。相手を想う、なんともいえない“間”……。そんな一瞬のシーンも今泉監督作品らしい。昭和のフォークグループ、トワ・エ・モアが歌った『或る日突然』という曲みたい。
映画のあとで、Netflixのドラマをみた。たわいない中学生の話なので、一般的に言う“おとな向き”ではないけれど、ワクワクしながら楽しんだ。