2023年10月23日 12:00
【おとなの映画ガイド】予測できない感動の展開!コロナ後のゆがんだ世界に落ちたイナズマ。松岡茉優&窪田正孝W主演+豪華キャスト『愛にイナズマ』
いびり倒され、果ては調子のいいプロデューサー(MEGUMI)に監督を降板させられて、企画だけ奪われてしまう。
花子と同じように自主映画製作でキャリアを始めた石井裕也監督だからか、カリカチュアライズが堂に入っている。花子の、赤色に対する執着とか、まるで小津安二郎監督ばりだったり。カメラを手放さない日常だったり。この映画青年らしさ、わかるような気がする。実に感じのわるいセクハラ助監督、業界の常識をかざすプロデューサーも、いかにもいそうでコワくなる。
そんなある時、あるバーで、花子に最初のイナズマが走った。空気がよめない、世間からちょっと浮いた感じの正夫(窪田正孝)と出会ったのだ。
急接近したふたり。花子は正夫の助けを借りて、自力であらたな映画作品を目指す。こうなりゃドキュメンタリーだ、というわけで、10年以上音信不通になっている父と兄2人を巻き込んで撮り始めてしまえと実家に戻るのだが……。
さて、実家に帰ってからは一転、怒涛の群像ドラマ。映画のトーンが変わる。
特に変わるのが花子だ。
これまで、コロナ禍でお金が底をついたって、ひたすら映画作りを頑張って、自分を殺し、妥協に妥協を重ねてきたけれど、もう本音だしまくり。