『劇場版ドクターX FINAL』──米倉涼子+豪華キャストのシリーズ集大成にして、最大の危機! 【おとなの映画ガイド】
は最新鋭の医療機器を製造するメーカーのCEO。兄弟ともにメディアでよく取り上げられるセレブ的存在の実力者だ。神津は弟の財力をバックに病院の経営危機の救世主として起用される。旧弊な病院組織と運営に大ナタを振るう神津は、超人的な未知子の才能に目をつけ、呼び寄せる。
天才外科医同士、実力を認め合うふたり。しかし、神津が未知子に接触した狙いはそれだけではなかった。鍵を握るのは、大門未知子が所属し敬愛する「神原名医紹介所」所長・神原晶(岸部一徳)の存在……。
未知子は“師匠”と慕う神原とどう出会い、いかにして「ドクターX」になったのか。テレビドラマの中では、ふたりの過去がときおり走馬灯のように映し出されていたのだけれど、なかなか全体像を結ばなかった。そのあたりが、やっと鮮明に明かされる。この神原と未知子の物語が、本作最大のみどころだ。
ドラマ同様、映画も大門未知子のスーパードクターぶりを冒頭から見せつける。危篤状態だった某国大統領を奇蹟の手術で救う、その活躍は、さながら世界を股にかけるゴルゴ13。あちらは人を殺めるが、こちらは命を救うという決定的な違いはあるけれど、その本人の成功や栄光が、世に知られないところが共通点であり、なんともシビレる。