2023年10月16日 12:00
小日向文世「歳を取ったらあんな楽しそうに芝居が出来るんだ」と思わせたい 『海をゆく者』で盟友たちと再び共演
撮影:石阪大輔
アイルランド出身の劇作家コナー・マクファーソンの代表作『海をゆく者』を、9年ぶりに上演。クリスマス・イヴの夜、酒とカードゲームをこよなく愛する男たちの身に起こる、ある奇跡を描き出す。09年の初演、14年の再演に続き、ミスター・ロックハートを演じるのは小日向文世。そこで間もなく古希を迎える小日向に、本作に寄せる想い、さらに同世代の共演者たちへの想いを、たっぷりと語ってもらった。
神の祝福を受ける者と受けない者の攻防
――三度目の上演となる人気作です。小日向さんはこの作品のどんなところに魅力を感じますか?
まず男しか出てこない、それもかなり年配の、どうしようもないおやじたち5人っていうのが面白いですよね。しかも全員酒に溺れていて、ずーっとベロベロに酔っ払っている(笑)。決して裕福でも、恵まれているとも言えない彼らですが、唯一の楽しみがクリスマス・イヴの夜にカードをすること。
そしてクリスマスの朝を迎えるころ、フッと神様の存在を感じるというか、温かい眼差しが注がれて。改めて本当によく出来た、いい話だなと思います。
――酔っ払いのダメおやじたち。ただそれだけではない、愛嬌を感じさせるおやじたちですね。