くらし情報『『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』、サントリー美術館で イギリスのコレクターたちが収集した名品が里帰り』

『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』、サントリー美術館で イギリスのコレクターたちが収集した名品が里帰り

勝川春章に入門し「春朗」と名乗っていた北斎は役者絵で頭角を表していたものの、師の没後は勝川派から離れ「宗理」の名前で活動を開始。琳派に接近しつつ、日本や中国、さらにはヨーロッパの技法を学び、精力的な活動を行っていた。その後、今日最も知られている「北斎」を筆頭に名前を変えながら独自の芸術を追求していく。

《市川鰕蔵の山賤実は文覚上人》は、春朗時代の作品。後の五代目市川團十郎となる市川鰕蔵が演じていた文覚上人を描いている。文覚上人は、現在の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では四代目市川猿之助が演じている。

『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』、サントリー美術館で イギリスのコレクターたちが収集した名品が里帰り

葛飾北斎《市川鰕蔵の山賤実は文覚上人》寛政3年(1791)大英博物館
《為朝図》は、版元の平林庄五郎が、北斎と曲亭馬琴とのタッグで制作した読本『椿説弓張月』の完成を祝って注文した肉筆画。画中に馬琴が漢詩を寄せている。


『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』、サントリー美術館で イギリスのコレクターたちが収集した名品が里帰り

葛飾北斎《為朝図》一幅江戸時代文化8年(1811)大英博物館
第2章「富士と大波」では、北斎の世界的な代表作「冨嶽三十六景」など、北斎が富士山をモチーフにした作品を取り上げる。当時、輸入されたばかりの藍色の色料「ベロ藍(プルシアンブルー)」を用いた「冨嶽三十六景」や、版本『富嶽百景』など、北斎は富士山の姿をさまざまな構図で描き、日本はもちろんのこと、海の向こうの人々までをも熱狂させている。

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