世界を魅了した旅情あふれる木版画を一挙公開! 東京都美術館『没後70年 吉田博展』をレポート
年
吉田博《帆船》大正15(1926)年
また、同じ版木を使い、刷色を変えた帆船シリーズなども見どころのひとつ。モネの積み藁やルーアン大聖堂の連作のように刻々と変化する空気や光を見事に捉えた連作は、彼の描写力だけでなく優れた色彩感覚も持ち合わせていたこともわかってくる。
実際に使用された版木と実作品を見比べることも可能だ。
吉田博《冨士拾景》
版木 吉田博《冨士拾景》
このほかアルプスにグランドキャニオン、浅草や日光など、世界や日本各地の風景の作品が数多く展示されている。本人が旅をして、実際に目に焼き付けた風景画の数々を、しっかりと堪能したい。
取材・文:浦島茂世
【開催情報】
『没後70年 吉田博展』
1月26日(火)~3月28日(日)、東京都美術館にて開催
https://yoshida-exhn.jp/